富士山登山道の全て、山梨県側の吉田ルート、静岡県側の須走・御殿場・富士宮の3ルートの全てが9月10日をもって閉鎖され、富士山の2019年夏山登山シーズンが終了しました。
富士山頂への4ツの登山ルートは、原則として来年の7月1日まで利用、通行することができなくなりました。
山梨側の冬季閉鎖区間は吉田口五合目・泉ヶ滝~山頂、静岡側の富士宮ルート(一般県道富士公園太郎坊線)は六合目~山頂、御殿場ルートは(一般県道富士公園太郎坊線)新五合目~山頂、須走ルート(一般県道足柄停車場富士公園線)五合目~山頂が閉鎖となっています。
富士宮ルートの五合目~六合目間は、今後の積雪状況により閉鎖時期を決定。例年ですと11月中旬まで通行が可能となっています。
静岡側の富士山スカイライン(富士宮口)、ふじあざみライン(須走口)、山梨県側の富士スバルライン(河口湖口)では、7月の開山から9月10日の閉山までの間マイカー利用が規制されていましたが、閉山と合わせて各々登山口までのマイカー規制も解除され、来年の登山シーズンまで積雪などによる季節閉鎖を除いて通行可能となっています。
昨年10月上旬に接近した台風の影響で、富士山の山頂直下、吉田口登山道の山側斜面の石積みの一部が崩落していたこと、さらに6月半ばに富士山が記録的な季節はずれの冠雪の影響を受けて復旧作業が遅れに遅れて、開山の遅れが心配されました。
何とか予定通りの開山には漕ぎ着けたものの、当初は八合五勺までしか登ることが出来ませんでした。関係各位の懸命な努力もあって7月10日には仮復旧作業が完了し、富士山頂までの通行が可能となったものの、 マスメディアによる登山道崩落に関する不正確な報道などの影響も手伝ってか、シーズン半ばまでの来訪者数は極めて低調に推移しました。
また、今年は大型台風の接近、または強風や落雷などによる警報・注意報も比較的多く発生、さらに8月の末頃には、山頂付近で登山者の不注意に起因する落石が発生し、尊い命が奪われる事故も発生してしまいました。
日本一の山「富士山」登山は、ハイキング感覚とまでは行かずとも、比較的容易に登れ、当社のような旅行会社のパックツアーで気楽に参加できるなど、「観光旅行」の延長的な印象すら感じられます。
登る山、向かう先は自然です。天候が雨や風だと辛いのは普通。多少乱暴ではありますが、同じように登山道が崩れている、崩落もあって当然で、急遽目的地まで到達できなくなることも普通。滑落や落石などによる重大事故も毎年必ずどこかの山で起こっています。水難事故も意味合い的には同じでしょう。
とは言え、富士山では係員による巡視、救護施設の設置、不注意などによる落石防止のために落石しそうな岩を地道に1ツづつ取り除くなど、安全確保を念頭として登山ルートを制定・整備しています。また、とてもたくさんの関係者が安全について日々普請していますので、素人考えで過度に心配する必要は無いことも、強調して付け加えておきます。
今シーズンが終了したばかりではありますが「2020富士登山ツアー」は、例年通り来年5月頃の発売予定です(仮復旧していた崩落現場は、この9月~10月の内に本格復旧作業がなされます)。
今年登頂できなかった方のリベンジ、いつかは登ってみたいと考えている方も、来年の登頂成功に向けて今から研究、トレーニングを始めるのもアリですよ♪