新型コロナウイルスの感染拡大を受け、富士山の主な登山道となる山梨県側の登山道「吉田ルート」、および静岡県側の登山道「富士宮ルート」にある全ての山小屋は、登山道にある救護所の医師や看護師の確保が難しいうえ、山小屋内での密閉や密接などを回避する必要があるなどとして、今年の夏山シーズンの全休業を決めました。
今年の富士山の夏山シーズンは、去年と同じ7月1日から始まる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、富士吉田市は 「平地とは比較にならない厳しい環境の中で、新型コロナのリスクは高く、救護所を運営するのは難しい」として、例年8合目に救護所を設けてきた夏山シーズンの救護所開設を断念、吉田口の山小屋でつくる「富士山吉田口旅館組合」の中村修組合長は「密閉、密集、密接の3密を避けられない。高山病などと新型コロナの感染が重なるとリスクは非常に大きくなると医師から聞いた。安全のため、休業はやむを得ないと判断した」と話しており、山梨県側の登山道「吉田ルート」 にある全16軒の山小屋、同様に静岡県側の登山道「富士宮ルート」にある全9軒の全ての山小屋が一斉休業します。
例年の夏山シーズンに富士山を訪れる登山者はおよそ25万人、最も多い吉田ルート利用者がおよそ15万人、次に多い富士宮ルート利用者がおよそ8万人。
両ルートの山小屋組合は「小さなけがや高山病などは、山小屋が対応しているのが実情。休業状態での開山は危険」とし、夫々山梨・静岡の両県に「今シーズンの登山ルートの閉鎖」を求める意向としています。
静岡県側の登山口「須走口」、「御殿場口」の山小屋については、現在時点で「今夏の営業は未定」としています。
全ての山小屋が休業、登山ルートそのものも閉鎖という状況で富士登山ツアーを実施できるはずもなく、今シーズンは全中止の予定です。
この期に及んで“予定”としているのは、「今後の展開・進展次第では…」と淡い希望を込めていますが…