
ツアーで訪れる熊野三山
平安中期から鎌倉時代にかけては多くの上皇が盛んに、また、人々が切れ目なく「蟻の熊野詣」と例えられるほど熊野に参詣したと伝わります。江戸時代には滑稽本・東海道中膝栗毛に「伊勢へ七度 熊野へ三度、愛宕さまへは月参り」と記されているなど、古から神々が鎮座する特別な地域として崇められ、人々の熱い信仰に支えられた聖地「熊野」。
「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」の三社と、「那智山青岸渡寺」の一寺を「熊野三山」と呼び、熊野三山は「熊野古道(熊野参詣道)中辺路」によって結ばれていて、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の順に参拝することが正式とされていますが、ツアーでは那智・本宮・速玉の順に参拝し、語り部と一緒に古の参詣道・熊野古道の一部を歩きます。
熊野本宮大社

熊野本宮大社・神殿 ©熊野本宮観光協会
本宮の地に神が祀られたのは今からおよそ2000年前。全国の熊野神社の総本山にあたる熊野三山の中でもとりわけ古式ゆかしい雰囲気を漂わせる熊野本宮大社。
悠久の歴史を感じさせる杉木立の中、本殿へと続く石段の先の神門をくぐると、檜皮葺の立派な社殿が姿をあらわします。
左手の社殿には夫須美大神・速玉大神の両神、中央には主神の家津美御子大神、右に天照大神が祀られており、交通安全、大漁満足、家庭円満、夫婦和合、長寿の神として人々を迎え入れてくれます。
参拝順路・見どころスポット
熊野本宮大社・産田社・大斎原
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参道入り口の鳥居は神が宿る神域と人間が住む俗界との結界を表します。鳥居をくぐる前に一礼。
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杉木立の中、158段の石段を登り神域へと近づきます。参道は右端を登り、左端を下るのが作法です。
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参道中腹左にある祓戸大神へお参りし身を祓い清めます。先の手水舎で手と口を濯ぎ清めましょう。
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熊野本宮大社神門の手前にある拝殿。これより先の神域は写真撮影禁止ですので要注意。
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拝殿の左右には神の使いである三本足のカラス「八咫烏」のレリーフ。記念撮影スポットのひとつです。
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証誠殿・中御前・西御前・東御前・満山社の順で参拝するのが作法なのだそうです…各殿ごとに二礼二拍手一礼。
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ツアーでは、三軒茶屋から熊野古道を歩いて本宮大社を訪れるので、神殿裏の参道から境内へ入る場合もあります。
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大斎原へ向かう途中にある、女性の守り神・伊邪那美命の荒御魂が祀られている産田社(うぶたしゃ)
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かつて熊野本宮大社があった、日本一大きい大斎原(おおゆのはら)の鳥居(本殿から徒歩10分ほど)
熊野本宮大社参拝:60分(予定)